世界緑内障連盟と世界緑内障患者連盟が中心となり、緑内障啓発を目的として、毎年3月に世界緑内障週間を設定し、世界中でさまざまな啓発活動を実施しています。
Santenは、世界各地で行われる緑内障疾患啓発活動に協賛しています。
2024年は、日本をはじめアジアや欧州など各地で各国緑内障学会の先生方と共同し、緑内障の早期発見に向け、以下の活動を支援しました。
Santenは、事業分野である眼科領域において、健康な目の追求と医療アクセス向上に取り組み、より多くの人々の治療に貢献することで、未治療の患者数の削減を目指します。
当社は、社会的意義のある製品を開発し、より多くの人に眼科医療へのアクセスを改善することで、世界の未治療の患者数削減へ貢献していきます。2025年までに5,000万人以上の患者さんに貢献(※1)することを目指しています。2020年度は約4,800万人、2021年度は約5,000万人、2022年度も5,000万人を超える患者さんの治療に貢献しました。
緑内障は日本の中途失明原因第1位の疾患です。自覚症状がほとんどないことから、治療を中断してしまう患者さんが多いことが課題となっています。そこで治療の継続を促す取り組みとして、治療継続プログラム「ACT Pack®」を開発しました。日本では2023年度までに、延べ2,000軒を超える医療機関に提供し、活用されています。「ACT Pack®」の使用により、治療開始6カ月後の継続率が導入前の42.1%から94.2%まで高まったという報告(※)もあります。
この取り組みは日本国外へも展開しており、アジアでは、「ACT Pack®」をデジタル化し、治療継続を促すとともに、眼科医と患者さんをつなぐコミュニケーションツールとして活用されています。
世界緑内障連盟と世界緑内障患者連盟が中心となり、緑内障啓発を目的として、毎年3月に世界緑内障週間を設定し、世界中でさまざまな啓発活動を実施しています。
Santenは、世界各地で行われる緑内障疾患啓発活動に協賛しています。
2024年は、日本をはじめアジアや欧州など各地で各国緑内障学会の先生方と共同し、緑内障の早期発見に向け、以下の活動を支援しました。
緑にライトアップされた神戸MOSAIC大観覧車
広く世界に広がる活動として、一般の方、医療従事者、患者さんとそのご家族すべての方が使用できる「緑内障視野シミュレーション」アプリの新バージョンを配信し、より多くの方の緑内障への理解浸透を図っています。
緑内障シミュレーションアプリは、以下よりダウンロードできます。
ドライアイは、1985年頃日本に疾患の概念が導入された現代病です。潜在患者数は日本で800万から最大2,200万人と推計されていますが、そのうち医療機関を受診している患者さんは200万人に過ぎないと言われています。Santenは、潜在的な患者さんにドライアイを正しく認知・理解してもらい、眼科を受診し、治療を受けていただくことで一人でも多くの患者さんに貢献することを目的に、この疾患の病態などについて幅広い情報を発信するなど、疾患啓発活動を続けています。
また、ドライアイは継続して治療することで治療効果が期待できますが、継続治療における課題があると考えています。医師側の要因として、ドライアイは正確な診断には手間と経験を要し、また、多忙な診療において患者さんに丁寧に説明することは難しいことなどが挙げられます。患者側の要因としては、患者さん自身が目の状態や改善傾向を認識しづらく、治療意欲がわきにくいことなどにより、治療を途中でやめてしまうことも多くあります。そこで、当社では診療満足度の向上が期待できるドライアイ診療サポートシステム「ティアミル®」を開発し、2023年4月から販売を開始しました。これにより、患者さんが自分の目の状態を視覚的に理解することができ、症状の改善や治療効果を認識できます。また、ドライアイのサブタイプの説明を受け、治療目的を理解することで治療継続の意欲が高まることが期待できます。
疾患についての理解と治療を継続する効果を見える化
世界の多くの新興国においては、眼科医やその他眼科に従事するスタッフが足りていないことが原因で患者さんの治療が十分に行えていない、もしくは診断そのものがついていないなど必要な医療提供が行われていないと認識しています。医師だけでなく、検査を担当する技師も不足しているため、眼科医自身が基礎的な検査まで行っており、結果として全体の生産性が低くなっています。眼科医が白内障の手術や緑内障の治療のスキルを高め、患者さんの治療に対してより多くの時間を費やせるよう、当社は外部パートナーとともに眼科医に対するトレーニングの仕組みや医療情報を提供しています。さらに医師をサポートする検査スタッフに対する教育にも力を入れることで、医療アクセスの向上を図っています。
希少疾患に対する治療薬は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないため研究開発が進んでいないことがあります。当社では、眼科領域の希少疾患においても、医療アクセス向上に取り組んでいます。
春季カタルは、小児および若年成人に多く見られる再発性の重症アレルギー性疾患で、角結膜を含む眼表面に重度の炎症が見られる特徴があり、強い目のかゆみや痛み、羞明等を伴い、日常生活に支障を来すこともあります。適切な治療を行わない場合、重症化すると、角膜潰瘍や視力障害を引き起こすことがあると言われています。
Santenは、春季カタルの治療薬として、カチオニックナノ乳化という独自の技術により眼球での滞留時間を長くし、角膜への吸収性を改善したシクロスポリン製剤であるVerkaziaの開発・販売を進めています。
2024年4月現在、アジア、中国など10か国以上で承認を取得しています。春季カタルにより活動が制限されている世界中の子どもたちが日常生活を取り戻すことができるよう、製品供給に取り組んでいます。
網膜色素変性症は、遺伝子変異が原因で網膜の視細胞および色素上皮細胞が広範に変性する疾患です。特徴的な症状は、夜盲、視野狭窄、視力低下で、総じて10代で発症し、中高年になると失明に至るケースも多いとされています。世界では約190万人(※1)、日本では人口10万人に対し18.7人の患者さんがいると推定されています(※2)。移動や学習など、視覚を要する動作が困難となるなど、日常生活に支障を来す疾患である一方で、根本療法や、その進行を抑制できる治療薬がなく、アンメットメディカルニーズが高い疾患です。
当社は、網膜色素変性症におけるファースト・イン・クラスの治療として開発が進んでいるjCell(※3)の開発・販売権について、米国jCyte社と独占的ライセンス契約を締結し、細胞治療事業の確立に向けた取り組みを進めています。jCellはFDAより再生医療先端治療(RMAT)に指定されており、FDAと欧州医薬品庁(EMA)のオーファンドラッグ指定も受けています。