私たちは、事業活動が多様な生物の相互作用がもたらす恩恵に支えられていることを認識し、自然環境と事業活動の調和を図り、生物多様性の維持・保全にグローバルで取り組んでいます。

Santenグループ生物多様性方針

Santenグループ生物多様性方針

Santenグループは「天機に参与する」(※)という基本理念の精神に基づき、持続可能な地球環境に貢献する。点眼薬にとって最も重要な「水」をはじめ、生態系から得られる恵みの基盤となる生物多様性の重要性を認識し、ネイチャー・ポジティブ実現に寄与するよう、以下の活動を推進する。

  1. 統合的取り組み
    全ての人々が美しい世界を見つめ続けられるよう、生物多様性の保全、脱炭素社会の実現、循環型社会の形成を統合的に捉えて取り組む。

  2. 影響評価
    サプライチェーンを含む事業活動による生物多様性に及ぼす影響について把握する。

  3. 事業活動と保全
    水域・大気・土壌の汚染防止や森林非破壊など生態系に配慮した事業活動を行い、生物多様性の観点から重要度の高い当社事業関連地域においては、影響の回避と継続的な軽減に取り組む。

  4. 生態系サービス利用
    事業活動における生態系サービスの利用にあたり、持続可能な調達と利用を図る。

  5. 遺伝資源の利用と管理
    医薬品を世界で開発し供給する企業として、遺伝資源を含む生物資源は、国際的なルールや原産国のルールにもとづく適正な利用と管理を行う。

  6. コミュニケーション・パートナーシップ
    国内外のNGO、教育・研究機関、地方自治体、サプライチェーン等とのコミュニケーションを促進し、生物多様性保全に向けて連携・協働に努める。

  7. 教育
    従業員に対する教育および啓発活動を実施し、生物多様性保全への意識の向上を図る。

※中国の古典、四書五経の1つである「中庸」の一節「天地の化育を賛く可ければ、則ち以って天地と参となる可し」を参天が独自に解釈したもので、社名「参天」の由来でもあります。自然の神秘を解明して人々の健康の増進に貢献するということを意味しています。


本方針は代表取締役社長兼CEOの承認を取得しています。

主要事業場周辺における生態系への影響

事業関連地域における生態系への影響を把握したうえで、その回避と軽減に取り組んでいます。2024年3月に、主要製造拠点と研究所の周辺地域において、WWF生物多様性リスクフィルターを用いて物理的リスクおよび生態系の状態を評価しました。なお、国内製造拠点および研究所については、自然環境保全法および都道府県条例に基づく自然環境保全地域に該当しない、または隣接しないことを確認しています。

WWF生物多様性リスクフィルターによる評価結果
事業場所在地物理的リスク/
生態系の状態
(10段階評価)
能登工場日本
石川県
5
滋賀プロダクトサプライセンター日本
滋賀県
5
奈良研究開発センター日本
奈良県
5
蘇州工場中国
江蘇省
7
 

ステークホルダーとの対話

外部からの期待や要請を理解し、活動に反映させていくため、ステークホルダーとの対話を実施しています。生物多様性については、2024年3月に公益財団法人 地球環境戦略研究機関 国際生態学センター 主幹研究員である目黒伸一氏をお招きして、その保全に向けた具体的な取り組みについて討議しました。

 

従業員への教育および啓発活動

 

生物多様性保全を推進するためには、従業員の知識の向上と意識の醸成が重要と考えています。2024年3月には、主に滋賀プロダクトサプライセンター勤務者を対象として、目黒伸一氏による講義「生物多様性と本物の自然」を実施し、生態系の基盤となる森林の役割およびその保全について解説いただきました。

講義資料の表紙

森林保護活動

生物多様性および水資源の保全を目的として、森林保護活動に取り組んでいます。能登工場では、地域における重要な水源である宝達山での森林保護を行っている「宝達山水源の森づくり協会」の活動に賛同し協賛しています。