2024年12月11日
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)は、このほど現地法人を通じて行った成人における開放隅角緑内障および高眼圧症における眼圧下降を目的とするSTN1013001(ラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤)の承認申請が、韓国の食品医薬品安全処(Ministry of Food and Drug Safety)およびベトナムの医薬品管理局(Drug Administration of Vietnam)に受理されたことをお知らせします。Santenがアジア事業地域※において本剤の申請をするのは、韓国およびベトナムが初めてです。本剤は、2024年8月よりCatiolanze🄬の名称でドイツやスペインなど、欧州7カ国で販売されています。
緑内障は、視野欠損につながる視神経の損傷を引き起こし、多くの国において視力低下や失明を含む視覚障害の主な原因となっています1,2。この疾患は、一般に進行性で非可逆性であるため、早期発見・早期治療によって進行をコントロールすることが不可欠です。眼圧を下げることは視神経の損傷を回避する有効な治療法であり、緑内障による視野障害の進行を抑制するためのエビデンスに基づく唯一確実な治療法とされています。また、緑内障あるいは高眼圧症の患者さんの約60%で少なくとも片眼に眼表面疾患(Ocular Surface Disease、以下OSD)の自覚症状および/あるいは他覚所見が認められたとの報告があります3。涙液層が劣化し、眼表面が損傷する多因性の疾患であるOSDは、緑内障を管理する上で新たな課題となっています。
STN1013001は、防腐剤無添加のカチオニック(プラスに帯電したイオン)乳化点眼剤で、ラタノプロストを50μg/mL含有しています。ラタノプロストは、上昇した眼圧を下降させる、プロスタグランジン関連薬です4。また、この製剤には、プラスに帯電した点眼液がマイナスに帯電した眼表面に引きつけられて、眼表面での分布性と滞留性が向上する技術が用いられています5。Santenが開発したこの特許技術は、涙液の油層の表面特性を向上させ6、ドライアイ向けの人工涙液などの中核技術として用いられています。
この承認申請は、欧州とアジアで実施された第Ⅲ相臨床試験であるSTN1013001(ラタノプロスト50μg/mLカチオニック乳化点眼剤)とラタノプロスト50μg/mLとの非劣性試験の結果に基づいています。主要評価項目である眼圧下降について、STN1013001は、12週目の午前9時と午後4時の眼圧において、ラタノプロスト50μg/mLに対する非劣性が示されました。さらに、4週目の両時刻においても12週目と同じく非劣性が示されました。副次的評価項目であるOSDの改善においても、12週目の角膜フルオレセイン染色スコアをもって、ラタノプロストに対するSTN1013001の優越性が示されました7。
Santenのチーフ メディカル オフィサーであるピーター・サルスティグは、次のように述べています。「多くの緑内障患者さんはOSDに苦しんでおり3、その症状に対する治療選択肢を待ち望んでいます。眼圧の下降に加え、眼表面の保護・改善が期待できる本剤を通じ、アジアにおける緑内障患者さんの治療選択肢を広げ、さらなるQuality of Life(生活の質:QOL)向上に寄与できると考えています」。
<参考文献>
Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。
-本件に関するお問い合わせ先-
参天製薬株式会社 コーポレート コミュニケーション
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