2024年3月26日
アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」(エピナスチン塩酸塩)の日本における製造販売承認を取得
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)は、持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩、開発コード:STN1011402)について、本日2024年3月26日付で日本における製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」は、1日1回眼周囲(上下眼瞼)へ塗布するクリームタイプの製剤で、アレルギー性結膜炎治療剤では、世界で初めての剤形です。
アレルギー性結膜炎の治療においては、抗アレルギー点眼薬(メディエーター遊離抑制薬およびヒスタミンH1 受容体拮抗薬)が多く使われていますが、それらは1日2 回又は4 回の点眼が必要です。本剤は、1日1回、眼瞼皮膚に塗布することで、有効成分であるエピナスチン塩酸塩が眼瞼を透過して結膜で持続的に作用します。患者さんの点眼の負担を解消することが期待でき、また、小児など、ご自身での点眼動作が難しく、介助が必要な患者さんにおいても適用しやすい剤形です。患者さんの負担が軽減されることで、用法遵守が期待でき、目のかゆみの発生頻度を抑え、Quality of Life (生活の質:QOL)の向上につながると考えています。
エピナスチン塩酸塩は、1975 年にベーリンガーインゲルハイム社により創製され、ヒスタミンH1受容体拮抗作用と肥満細胞からのヒスタミンなどのメディエーター遊離抑制作用の2つの作用を有し、アレルギー性結膜炎に治療効果を発揮します。本剤の有効性については、国内で無症状期のアレルギー性結膜炎患者さんを対象として行われた第Ⅲ相試験(結膜抗原誘発試験)(プラセボ対照無作為化二重遮蔽試験)で、アレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアにおいて、本剤のプラセボ眼瞼クリームに対する優越性が検証されました。また、第Ⅲ相長期投与試験において認められた副作用は眼瞼そう痒症1.6%(2/124 例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124 例)で、重篤な副作用は認められませんでした。
Santenのチーフ メディカル オフィサーであるピーター・サルスティグは、次のように述べています。「日本においても数多くの患者さんが、強い眼そう痒感や充血などのアレルギー性結膜炎の症状やQOLの低下に悩んでいます。この承認により、1日1回の投与で終日にわたり有効性を維持できる今までにない剤形のアレルギー性結膜炎の治療選択肢を、患者さんや医療従事者にどこよりも早く提供できることを大変誇りに思います」。
アレルギー性結膜炎は、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす疾患です。花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といい、一年中症状がみられるものは、通年性アレルギー性結膜炎といいます。2017 年の日本眼科アレルギー研究会(現、日本眼科アレルギー学会)が実施した有病率調査によると、国内のアレルギー性結膜疾患の有病率は 48.7%1であり、有病率は近年増加しています。
Santen は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減するとともに、治療における利便性を改善するなど、患者さんの QOL向上を追求してまいります。
<参考文献>
1. 日本眼科アレルギー学会診療ガイドライン作成委員会:アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3 版)日眼会誌. 125(8): 741-785, 2021.
Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。
-本件に関するお問い合わせ先-
参天製薬株式会社 コーポレート コミュニケーション
Email:communication@santen.com