2023年11月17日

開放隅角緑内障および高眼圧症における眼圧下降を目的とする点眼薬 Catiolanze®(ラタノプロスト50µg/mLカチオニック乳化点眼剤)が欧州委員会の承認を取得

参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)はこのほど、開放隅角緑内障および高眼圧症における眼圧下降を目的とする点眼薬として、Catiolanze®(一般名:ラタノプロスト50µg/mLカチオニック乳化点眼剤、開発コード:STN1013001)が、欧州委員会(European Commission、以下EC)から現地法人を通じて販売承認を取得したことをお知らせします。9月に欧州医薬品庁(European Medicines Agency、以下EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)が承認勧告を採択していたもので、本承認は、欧州連合(European Union:EU)の全27加盟国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーが対象となります。

本製品は、EMAの中央審査方式に基づき、その技術革新が評価1されたものであり、本承認は、欧州とアジアで実施された第Ⅲ相臨床試験(Catiolanze®とラタノプロスト50µg/mLとの単盲検無作為化対照比較非劣性試験)の肯定的結果を含む臨床パッケージに基づいています。第Ⅲ相試験では、主要評価項目である眼圧下降について、12週目においてCatiolanze®のラタノプロスト50µg/mLに対する非劣性が示されました。また、Catiolanze®は、副次的評価項目である12週目の角膜フルオレセイン染色スコアを指標とした眼表面疾患(Ocular Surface Disease、以下OSD)改善において、ラタノプロスト50µg/mLに対する優越性を示しました2

Catiolanze®は、防腐剤無添加のカチオニック乳化点眼剤で、ラタノプロストを50µg/mL含有しています。有効成分のラタノプロストはプロスタグランジンF2αアナログであり、選択的なプロスタノイドFP受容体作動薬として、眼房水の流出を促進して眼圧を下降させます。この製剤には、プラスに帯電した点眼液がマイナスに帯電した眼表面に引きつけられて、眼表面での分布と滞留性が向上する技術が用いられています3。Santenが開発したこの特許技術は、涙液の油層の表面特性を向上させ4、ドライアイ向けの人工涙液などの中核技術として用いられ、それらの製品は、30以上の国々で販売されています。

Santenのチーフ メディカル オフィサーであるピーター・サルスティグは次のように述べています。「多くの緑内障患者さんはOSDに苦しんでおり5、それら症状に対する治療選択肢を待ち望んでいます。この革新的なカチオニック乳化剤の技術を通じて、EMEA(Europe, Middle East and Africa)域内の緑内障患者さんの生活を改善し、“Happiness with Vision”の実現に貢献できることを誇らしく思います」。

緑内障は、視野欠損につながる視神経の損傷を引き起こし、多くの国において、視力低下や失明を含む視覚障がいの主な原因となっています6,7。この疾患は、一般に進行性で非可逆性であるため、早期発見・早期治療によって進行をコントロールすることが不可欠で、眼圧を下げることが視神経の損傷を回避する有効な治療法です。また、緑内障あるいは高眼圧症の患者さんの約60%で少なくとも片眼にOSDの自覚症状および/あるいは他覚所見が認められたとの報告があります5。涙液層が劣化し、眼表面が損傷する多因性の疾患であるOSDは、緑内障を管理する上で新たな課題となっています。

  1. Article 3(2)b - Technical innovation of Regulation (EC) No 726/2004
  2. Data on file
  3. Georgiev GA et al. Surface chemistry interactions of Cationorm with films by human meibum and tear film compounds. Int J Mol Sci 2017 Jul 18; 18(7):1558. doi: 10.3390/ijms18071558
  4. Lallemand F et al. Successfully improving ocular drug delivery using the cationic nanoemulsion, Novasorb. J Drug Deliv. 2012; 2012:604204. doi: 10.1155/2012/604204. Epub 2012 Feb 27
  5. Leung EW, Medeiros FA, Weinreb RN. Prevalence of ocular surface disease in glaucoma patients. J Glaucoma. 2008 Aug;17(5):350-5. doi: 10.1097/IJG.0b013e31815c5f4f.
  6. Flaxman S et al. Global causes of blindness and distance vision impairment 1990–2020: a systematic review and meta-analysis. The Lancet Global Health (2017) 5: e1221–34
  7. Steinmetz JD et al. Causes of blindness and vision impairment in 2020 and trends over 30 years, and prevalence of avoidable blindness in relation to VISION 2020: the Right to Sight: an analysis for the Global Burden of Disease Study. The Lancet Global Health (2021) 9: e144-60

Santenについて
Santenは、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販売・マーケティング活動を行っており、世界約60を超える国・地域で製品を販売しています。Santenが目指す理想の世界、「WORLD VISION」(Happiness with Vision)の実現に向け、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。130年の歴史の中で培われた科学的知見や企業力を活かし、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組み、価値ある製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心に社会への貢献を果たしていきます。
詳細については、当社ホームページ https://www.santen.com/jaをご参照ください。

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参天製薬株式会社 コーポレート コミュニケーション
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