Santenは、2023年10月9日から10月20日まで、社内イベント「Vision Experience Weeks」を開催しました。
全てのSanten従業員を対象とするこのイベントは、「見える・見えない」について学び、体験し、共有することを通じて、目の健康の大切さについて考えるとともに、職場や身の回りにいる視覚に障がいがある人々への理解を深め、他者への思いやりの心を育むことを目的としています。
今回は、その中のプログラムのひとつ、10月9日に日本で開催した「親子で冒険!」を取材しましたので、参加者の気づきや学びの声を交えてイベントの様子をご紹介します。

総勢23組の親子が「見える、見えない」を体験

 

日本で開催したブラインドチャレンジ*「親子で冒険!」は、従業員とその子どもを対象とした体験型イベントで、Santenと放課後NPOアフタースクールが協働開発したプログラムに、総勢23組49名が参加しました。

ブラインドスポーツの普及に積極的に取り組む、視覚に障がいのある平康裕さんを講師として招き、目が見えない人々が生活の中で感じる困難についてお話しいただくとともに、ブラインドチャレンジに取り組む際のアドバイスもいただきました。

*目が見えない状態をさまざまな状況で自ら参加・体験すること

講師の平康裕さん(中央)と平さんからのアドバイスを真剣に聞く参加者

五感を使って「目隠しパズル」に挑戦

参加者全員がアイマスクを着用し、ステーキ肉の焼く音を聞いてもらい、何の音かをあてるクイズをしました。聴覚をたよりに、「料理をする音」「水の音」等の解答がありましたが、正解者はいませんでした。ここで参加者は、目(見る)、耳(聞く)、鼻(嗅ぐ)、口(味わう)、手(触る)の5つ感覚のうち、人が外部から最も多くの情報を認識するのが目であることを学びます。
次に親子でペアを組み、片方がアイマスクを着用し、もう片方が声をかけ、協力をしてパズルを完成させるゲームに挑戦しました。「見える」立場と「見えない」立場を交代でやってみることで、それぞれの違いや難しさを体感しました。

アイマスクを着用して白杖を持ち、「点字ブロック歩行」を体験

親子が交代で視覚障がい者役と介助者役を担い、点字ブロックの上を歩きます。コース上には日常生活を想定し、信号や踏切、狭い道幅等が設置され、アイマスクを着用した人は白杖を手に持ち、介助者の声かけとサポートを頼りに、点字ブロックを歩行します。大人と子どもの目線の高さや歩幅の違い、歩くスピード等、それぞれにあわせた工夫が必要で、参加者は一歩一歩足もとを確認するように、ゆっくりとコースを周りました。

 

「そこじゃないよ!」と夢中になってお父さんに声をかける子どもたち

「足もとが狭くなっているから気を付けて!」と大きな声でハキハキと声をかけてサポートする子どもと保護者たち

ブランドチャレンジ「親子で冒険!」に参加した親子の声

 

・目隠しパズルも点字ブロック体験も難しかったけれど楽しかった。目が見えないのは動くだけでも大変だし、間違った道を歩いて何かにぶつかったら怖いと思った(小学1年生)
・目隠しをすると、パズルがとても難しくなった。手で数字の形を当てるのが楽しかった(小学2年)
・目が見えないまま歩くのは怖い。人にぶつかるかもしれないし、ものを落としても気づけないと思った。困っている人がいたら助けてあげたい(小学校3年生)
・目隠しをして、お肉の焼ける音を聞いても、何か分からなかったけど、正解を見ると「なんだ、ステーキか」と思った。見えることはすごいことだと思う(小学4年生)
・目が見えない人がどんな生活をしているのか知りたくて参加した。これからは自分ができることをしていきたいし、お父さんがやっているお仕事はすごいと思った(小学校5年生)
・点字ブロックの意味を知らなかったので、これからは白杖をついている人が困っていたら声かけしようと思った(小学校6年生)
・点字ブロックを歩いてみて適切なアドバイスが必要だけれど、それを必要としていないこともあると思った。必要とされていたらお手伝いしたい(小学校6年生)

「目が見えないと、いつも出来ていることが上手くできないし、時間もかかるね」と、学んだことや気づいたことを話し合う親子

・子どもに目の見えない方々の生活を知ってもらい、思いやりの気持ちを持ってほしいと考えて参加した。家に帰ったら、困っている人を見かけたときにどうするのかを話し合いたい(従業員・保護者)
・プログラムの最後にあった振り返りの時間に、子どもが講師の先生に自発的に質問している姿を見て、「見える・見えない」の違いによる気づきや学びがあったと思う。講師のメッセージにもあったように、障がいがあることを特別なこととして捉えず、学校のクラスメート誰とでも分け隔てなく接する、思いやりの心をもった人に成長してもらいたい(従業員・保護者)
・子どもがブラインドサッカーの体験から視覚障がいに興味を示したため、当事者の方に直接話を聞けるこの場に参加した。今日、どんな気づきを得たのかを確認してみたいし、視覚障がいのある方を見かけたらどんな行動をしてあげるのかまで引き出せたらと思う(従業員・保護者)

従業員が多様な力を活用し、一人ひとりがアンバサダー!

 

イベントを企画したCore Principle and CSV推進部の長谷川と油本は次のように話します。

「当社に勤務する視覚に障がいのある社員の中には、ブラインドスポーツの大会で活躍する者や大学の研究員として研究を続ける者もいます。見える、見えないに関わらず誰もが当たり前にいきいきと暮らせる社会の実現を目指す当社にとって、彼らの活躍は刺激になりますし、多様性を尊重する企業風土の醸成にもつながっていると思います(長谷川)」

「今回は当社の従業員とそのお子さんを対象に、障がいの有無に関わらず相互理解を深め、多様な力を活用する大切さを学んでいただき、そのアンバサダーになるきっかけ作りを行いました。この機運を一過性のものにせず、さらなる共感の輪を広げ、従業員一人ひとりにアンバサダーになってもらえるように、多様性とインクルージョンを強みとする組織づくりや人材育成に貢献できるよう、活動を推進してまいります(油本)」

本イベント企画・推進の長谷川(左)と油本(右)

各拠点のVision Experience Weeksレポート

社内イベントの期間中、日本の他、アジア、ヨーロッパ、中国の拠点やオフィスでも「見える、見えない」をテーマにしたプログラムが行われ、のべ800名の従業員がイベントに参加しました。参加した従業員の写真が届いていますのでご紹介いたします。

 

仲間と協力しあい数字パズルに取り組むヨーロッパの従業員たち

弱視ゴーグルをかけ、隠しオブジェクトゲームに挑戦するアジアの従業員

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