Santenは、世界で拡大を続ける眼科医療への需要や製品の多様化を見据え、柔軟な製品供給ネットワークの構築を目指すとともに、生産能力の拡大に向けた生産拠点強化に取り組んでいます。
世界保健機関(WHO)によると、世界では22億人が失明または視力障がいの状態にあり、そのうち少なくとも10億人が治療あるいは予防ができたと推定されています。一方で、世界的な人口増加や高齢化、ライフスタイルの変化等により、今後、眼科医療への需要は増加すると予測されています。また、目の疾患には継続的な治療を必要とするものも少なくありません。高まるニーズに対応し続けるためには、医療用医薬品を安定的に生産供給できる体制を整備することが求められています。
Santenではこれまで、製品のグローバルな安定供給に向けて、生産拠点の再編や仕向け地での最終包装化による供給リードタイムの短縮、他社工場から自社工場への製造移管による原価低減など、製品供給体制の強化に取り組んできました。現在は、より強固な製品供給基盤の確立を目指し、柔軟な製品供給ネットワークの構築、生産能力拡大に向けた生産拠点の強化等にも取り組んでいます。
2022年10月26日、生産拠点のひとつ、滋賀プロダクトサプライセンター内に建設していた「第3棟」が竣工しました。
滋賀新棟竣工式に出席した代表取締役社長兼CEOの伊藤毅は、次のように話しました。
「世界的に増加する需要と、弊社のさらなるグローバル化に対応するため、この度の新棟建設に至りました。新棟では、自動化設備の導入等により、30%以上の生産性向上を目指しています。人々の目の健康を守る当社の使命として、患者さんへの製品の安定供給を果たすと同時に、低炭素エネルギーへの移行、水資源の有効活用、バイオマスプラスチック容器への転換など、省資源や環境負荷低減を通じた地球環境の保全にも取り組みます。今後、世界のより多くの患者さんに、これまで以上に貢献できることと確信しています。滋賀工場の従業員のみならず、全社一丸となって今まで以上の努力を重ね、精進してまいります。」
滋賀工場長は、新棟で取り組み始めている製品供給基盤の強化について、次のように説明しました。
「Santenが真のグローバル企業としてより競争力を高めていくためには、高品質な製品の安定供給を継続していくのはもちろんのこと、既存の枠組みにとらわれずに、原価の低減や業務プロセスの改革にも取り組んでいく必要があります。そのため、新棟の建設プロジェクトには、経営チームやプロダクトサプライチームだけでなく、品質保証、サプライチェーン、IT、人事など、多くの社内部門が関与しました。」
「滋賀第3棟で目指すのは、『圧倒的なQCCD(クオリティ、コスト、キャパシティ、デリバリー)の実現』です。新しい技術や仕組みの導入にも積極的にチャレンジしています。新棟稼働のとくに初期段階では、新たな生産プロセスを構築する機会が多く、新たな取り組みにチャレンジするには絶好のチャンスです。新規取り組みの実証実験(Proof of Concept:POC)の場として、ここで検証して仮説通りの結果が得られたものは、他の工場へも展開したいと考えています。」
Santenは、今後も、高品質な製品をタイムリーに、より効率的かつ安定的に生産供給していくことで、世界のより多くの人々の目の健康に貢献していきます。